仕事でうまく相手に伝わらない、と思ったら。それはもしかしたら、伝え方スキルが身に着いていないだけかもしれません。

本日、仕事で他社の人からちょっとした依頼があったんですが、何を頼まれているのか分からなくて無駄なやりとりをしてしまったんですね。
1分で済むことを5分ぐらいも話してたでしょうか。
そのやりとりを紹介しつつ「こうすればいいのに」と思ったことがあったので、スムーズな伝え方のコツの話をしようかと思います。

他人に頼み事をするのが苦手な方や、自分は仕事ができないなあと思っている人にこそ読んでいただきたい話です。

IMG_5773

経緯から説明しますね。

たまに仕事でやりとりするA社の方から電話がかかってきて、過去に関連したいくつかの文書のデータを送ってほしいというのですよ。

相手「お願いがあるんですけども、この文書の件、過去のデータをいくつか送ってもらうことはできますか?」
わたし「テキストですか、テキストをエクセル化したやつですか、それとも完成版のPDFですか?」
相手「えーと…、PDFとかがいいかもです」
わたし「うち月2回これ作ってるんですよね。第2週目のやつは、御社と関係ない回ですけどそれも要りますか?」
相手「あればありがたいです」
わたし「何回分欲しいですか? 紙になってる完成品から探さないといけないので……」
相手「2、3でいいんです。(上司に)説明するのにサンプルが必要で……」
わたし「ああ、サンプルが欲しかったんですね(!!!なんだそうだったのか!!)、じゃあ2つずつで4回分でいいですね?」
相手「はい、それでいいです」

最初から「上司に説明する用のサンプルが欲しい」って言ってほしかったですよ(笑)。
最初に「サンプルが欲しい」と言ってくれれば、こんなやりとりする必要なかったです。
仮に最初に言ってくれてたらどうなってたか書いてみましょうか。

相手「上司にこの文書のことについて説明したいので、過去の文書をいくつかサンプルとして送ってもらえませんか?」
わたし「了解です。そういうことなら完成品の紙面をPDF化したものがいいですよね。メールで送りますよ。御社が関係するものだけでいいですか?」
相手「念のため、関係してない回もいただけたら」
わたし「じゃあ、2つずつの4回分でいいですか? あとでメールで送りますね」

違い、分かりますか?
わたしにストレスがかかってない(笑)のはともかくとして、
「何に使うものか」理由が分かっていれば、何をどうしたらいいかすぐに判断がつくんですよ。

人に何か依頼する時は、一緒に伝えるべきことがある

このケースで言うと、ただ「文書が欲しい」だけだと、
…元のテキストデータなのか(何かに転用するために必要なのかな?)、
…それのエクセル化したものか(途中経過がどうなってるか見たいのかな?)、
…完成品か(最終的なレイアウトを確認したいのかな?)、
理由が分からないからぜんぜん絞り込めないんです。

でも、「他人に説明するためにサンプルとして過去の文書が欲しい」と言われれば、完成品が見たいんだなってすぐ分かります。

ここで言いたいのは、
人に何かを依頼する時は、「自分が何をしたいから、こうして欲しい」って伝えた方がぜったいに良いですよという話です。そうすることで伝えた相手が考えてくれるからです。
「そういうことなら、○○にしましょうか」って。
この“そういうことなら”がポイントです。

大原則なんですが、ものごとに対する人の判断って、広さや深さがぜんぜん違うんですよ。

今回の場合だと、相手さんは「過去のデータ=完成品PDF」しかなかったようですが、わたしはパーツから文章書いたりしてるんで「過去のデータ」と言われると「生テキスト」「エクセル化したデータ」「完成品PDF」と三択になるんです。わたしと相手さんでは解像度が違うんです。

何が言いたいかというと、他人と自分が同じ解像度でものを見てるとは限らないということなんです。良い・悪いじゃなくて、立場違えば、見え方も違って当然ってことを知っといた方がいい。

だから、相手に「そういうことなら、○○にしましょうか」と、自ら判断してもらえる方へもっていった方がスムーズです。5分のやりとりが1分で終わる。

さて、それではサクッと結論へ。

「自分は仕事できないなあ」と思っている人へ。
なんか相手に頼みたいことが伝わらない、頼んだことと違うことが返ってくる…。
そんなあなたへのメッセージです。

それはですね、あなたが仕事ができないんじゃないんです。単に伝え方に問題があるだけなんです。

相手にAということをやってもらいたい時に、その作業の内容だけを話していませんか?
なぜその行動をしてほしいのか、理由を話していないのでは?

「あなたの持っている、何か土を掘れるものを貸してください」
と頼むより、
「庭にチューリップを植えたいので、何か土を掘れるものを貸してください」
と頼んだ方が、意図が伝わりやすいんです。言われた人が考えることができるから。

だから、上司でも部下でも同僚でも他社の人でも、とにかく仕事で何か人にものを頼む時は、その仕事の意図を最初に伝えた方がいいです。

なんだか知らんけど、伝わらないな~と思った時は、我に返ってください(笑)。
相手は、あなたがどうしたいのか分からないので、動けないんです。
あなたがどうしたいか分からないから、ウミガメのスープみたいに「○○ですか? ××ですか?」みたいに質問を重ねることになるんです。

はい、結論。

人にものを頼む時は、自分に意図を最初に伝えましょう。

今日は占いの話じゃなかったですけど、まあこんな話も書いていこうと思います。