コンビニでグラサン買うシーンにグッときます。英国映画「ホット・ファズ」を占い的に読み解く話。

唐突に、わたしの大好きな映画の話をします。占い的に読み解けることに気づいたからです。
その映画とは、英国の映画「ホット・ファズ ~俺たちスーパーポリスメン~」です。

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わたし以前は映画大好き人間で、年間何十本も見てました。
今は落ち着いており、大好きな監督や脚本家の最新作が出たら映画館に行くというスタイルなんですが、エドガー・ライト監督はその大好きな監督の一人です。
エドガー・ライト監督作品の中でも一番好きな作品が「ホット・ファズ」です。

とくに好きなシーンがですね。中盤のあたりで、
主人公がコンビニでレイバンのかっこいいサングラスを買うシーンなんですけども(笑)。

あれを占い師になった今になって、振り返って考えてみると実に占い的要素が強いよなあと思ったわけです。なので、今回はネタバレなしで映画「ホット・ファズ」を占い的要素から語ります。

あらすじはDVDのパッケージをそのまま拝借します…

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平たく言うと、ロンドンからやってきたエリート刑事が、田舎の美しい街──それも、全国美しい街コンテストでいつも優勝するような美しい(笑)街にやってきて、謎の事件に巻き込まれるという話です。

パッケージをみると、かなりアクション映画風に見えますけど、ハリウッド映画的なアクションだと思わない方が楽しめます。ちゃんと英国のどんよりした陰湿なミステリものの展開で始まります。

そして中盤で、コンビニでグラサン買うんですよ。そこが実にいいのですけれど。
それは後に語りましょう…。

占いが表現する「循環」の概念と、映画や漫画のストーリー展開について

で、ここで軽く占いの「循環」について説明します。

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だいたいの占いは、種から目が出て花が咲き、実が出来てまた種に戻っていくという植物をもとにした概念で作られていることが多いんですね。
タロットカードとかでも順番がありますでしょ。ものの始まりがあって、ものの終わりがあるように。人間が生まれて活動して老いて死んでいくように、栄枯盛衰を表すんですね。

これが抽象化してみると、映画や漫画の物語の展開も一緒でして。

混沌(種)から始まって、たいていの物語は「分からないこと」がだんだん明らかになっていく過程になっているはずです。「不確定要素」がだんだん確定していく、と言ってもいいかもしれませんね。

不確定要素が固まっていく過程が、発芽した植物がどんどん伸びて「可能性を消していく」ことになるんですね。そして花が咲いてクライマックス。ピークを迎えて平和になって終わる…。
そういうのが多いかもしれません。

が、

「ホット・ファズ」はねえ、ちゃんと混沌まで帰ってくるんですよ(笑)。そこがいい。

事件の全貌が明らかになり、そして……

主人公のニコラスは優秀な刑事なので、怪奇な事件を追っていくうちに真相にたどり着いてしまうわけです。
全ての謎が明らかになる=ピークを迎える。つまり上記図で言うところの花が咲いた状態になるわけです。

そこで明らかになった犯罪が、あまりに重大なので「これは自分独りの手には負えない」とニコラスは車に乗ってロンドンへと逃げ出すんです。
応援を呼ぶためではあるんですけども。ニコラスはこの街から今すぐ逃げださねば、自分が殺されてしまうと、完全に恐怖に駆られてしまうわけです。

でも、ほんとに逃げていいんだろうか。車を運転しながら彼は迷うわけですよ。
俺はこれでいいのか。
犯罪を見逃していいのか。

そこでコンビニでグラサンなんですよ。
グラサン、ああっ、カッコいいグラサン、これだ! ってなるわけです。

で、グラサンを買ったニコラスはUターンして田舎街に戻るんです。
そこからがこの映画の真骨頂なんですけどね。(実に面白いのでぜひ見てほしい)

コンビニは金気=殺気=決める力を手に入れる場所だった

この映画では、の話ですけども(笑)。
物語として、ピークを迎えて落ち着くところから、主人公は成熟の先に行くんですよ。

完全犯罪が行われている街の「成熟さ」を打破するために、ニコラスは新たな意志と力=占いで言うと金気=で「物事を決定して」「現状を打破するための力」を得て、事件を収束させていくわけです。

その象徴であり、最初に手に入れたアイテムがグラサンなんですよ。

グラサンを買うことで、ニコラスは覚悟を手にするんです。
すごい迷ってて逃げ出そうとしてたんですけど。彼はコンビニでグラサンを見つけて「あっ」ってなるんですよ。で、それを手にして覚悟を得て、やっぱり奴らと戦おうって街に戻るんですよ。

こういう時って普通は、銃とかじゃないすか。直接的な武器。金だしね。
例えば逃げ出そうと思って乗った車のダッシュボードに、カッコいいハンドガンが置いてあった、とかですね。それを見て覚悟決める、みたいな展開もありそうです。

でも、この映画。覚悟アイテムが、グラサンなんですよ。

銃でもナイフでもない、グラサン。カッコいいグラサン。
だからいい。だから大好きですこの映画。

金気は、東洋系の占いでは特に、実がなることからそれが種になるまでが該当します。
花や全体が枯れてまた種に戻っていくところです。
この映画でも、田舎街にあった「ある秩序」が崩壊していくところが描かれます。

前半と後半とガラッと雰囲気が変わるので、二本の映画楽しめるみたいでお得かも

アクション映画ですけど、意外に人死には少ないのと残酷シーンは少ない(と、わたしは思っている)ので、小学生高学年以上から楽しめると思います。(別にR12とか無いです)

ちゃんと混沌に戻ってくる、いい映画なので、
占い好きの皆さんにも見ていただきたいです(!)

以上、占いの観点からのオススメなアクション映画の話、でした。

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