「いい大学に行ったら、人生の選択肢が広がる」という説は、一概にそうとは言い切れないかもよ、という話

某匿名日記サイトに、興味深い記事が掲載されていたので、今日はその話をします。よく人は「いい大学に行けば、人生の選択肢が広がる」とか言うけど、そうでもないんじゃないかな?って話です。「尖る」から「選べなくなる」ってことがあるんですよ。そんな話です。

 

書かれている内容は創作かもしれないけど、似た境遇の人を知ってまして。
こういうの、よくあるんだろうなとリアル感と手触りを感じた記事でした。

まずはちょっと該当記事をお読みください

死ぬ予定なのでせめて人生を振り返って残しておく
https://t.co/DrXxeMuMm4

ざっくり概略を説明すると、

中学高校ですごく優秀な成績を収めてアメリカの大学に進学したんだけれども、英語でのコミュニケーションがうまくいかず(英検1級TOEFL90以上なのに)孤独になり挫折。日本に帰国して日本の大学に入ろうとして東大に入れたはずが舐めてて落ちて、早稲田大に進む。在学中ゲーム制作か何かに熱中して単位と時間を失い、親の目も冷たくなり、公務員が良さそうだと都庁に就職しようとするも失敗。就職しないまま卒業することになったので、大学卒業したら人生を終わりにしようと思う。

……というような内容ですかね。

読後、普通に就職すればよくないですか? と思いました。
自分が行けそうなところに就職すればいいじゃないですか。
でも、なぜか「生きる」「死ぬ」の二択になってる。

「今さら」ルート変更できない

……などと、
他人の人生だと、客観的に見れますけども(笑)。
きっと彼にとっては「もう進める道が残っていない」ということなのだと思います。

わたしの知人にもかなり似た境遇の人がいて、すごくいい大学行ったのに最初の職場でうまく行かなくて辞めて、そのままズルズルとバイト的なものをしては心を壊して辞めるを繰り返してます。今はコンビニで働いてますね。

その知人のことも含め「そんなにいい大学に行ったのに、なぜ数回の失敗で挫折するの? いい大学でスゲーこと学んだんじゃねえの? いくらでもリカバリ効くでしょ」と思うんだけど、たぶんご本人にとっては、思い描いていたルート以外は選べない選択肢だったんでしょうね。

記事を書いた方もこんな風に言ってる。

今更平均以下の年収で生活をギリギリ維持するだけの人生を送っても楽しくないので大学を卒業したら死ぬつもり。

選択肢、多く、ないの?

たぶん、そんなに偏差値の高い大学に行っていない勢の方々は、みなわたしと同じような発想になると思います。「早稲田行ったんだったら、自分より選択肢多いんじゃね?」って。

でも、結局は当事者になると「早稲田卒が行く」会社や公務員になるしか選択肢がなくなるんですよ。謎の心理的な障壁が発生するんです。
「早稲田を出たらA社とかB社みたいな会社に就職せねばならない」みたいなね。
「C社やD社は早稲田卒なら有り得ない」ってね。そういう発想になる。

いやC社とかD社とか行けるんですよ、別に。就職試験で門前払いなんかされません。
でも、たぶんご本人や親御さんとか周りの人たちが「早稲田を出たのに、そんな会社に行くなんて有り得ない」って言うわけですよ。だから選べない。

ねっ、ほら。
いい大学に行ったら人生の選択肢が広がるって説、かなり怪しいなって思ってきませんか(笑)?

もしかしてギャンブル依存と一緒?

すごい比喩ですけど、
ギャンブルにハマってなかなかやめられない、抜け出せないのと一緒なんすよね。

ギャンブルでお金かけるじゃないですか。そうすると、かけた分のお金を取り返さないといけない心理状態になるわけです。
百万円投入したら、百万円+αを取り返さなきゃならない。
一千万円投資したら、一千万円+αのリターンを得なくちゃならない。

つまり、早稲田大に入るのに一千万円+労力をかけたなら、一千万円と楽に働ける権利を取り返さなくちゃいけないと考えるんですよ。

ショボイ企業の一社員じゃ、一千万円+労力を取り返せない(ように思える)じゃないですか。

じゃあ、どうしたらいいのよ。

これ以上被害を広げないためには「損切り」するしかないですよね。
投入したお金や労力を取り戻そうという発想をやめる。
今まで投入したお金や労力については、もう諦める。
過去は置いといて、現時点をゼロ地点と考えて、ここから始める。

つまり、損切りする発想があればいいってことです。

そもそも、何がどう転ぶか分からない世の中に生きているというのに、何も知らない学生がリターンを得ようなんて考えるの甘々です(笑)
自分の出来そうなこと、やれそうな会社に勤めればいいじゃないすか。取り返す発想をやめた途端に、相当世界が広がると思いますね。

何かにハマりこんでる時は「損切りする」って発想が必要かも

わたしの知人も、今はコンビニバイトしてますけども、そう考えると、彼は損切りしてる最中なのかもしれませんね。

今まで、わたしは「なぜ彼には大学で学んだ専門知識があるのに、公的機関に一度勤めて失敗したぐらいでその業界をあきらめるのか? その業界は常に人材不足と言われているし、民間企業だってたくさんある。なぜ業界を離れたのか?」と思っていたのですけども、

逆説的に考えると、彼にとっては、損切りするために、数年の長い時間と心を壊すことが過程として必要で、そのためにそうしたのかもしれませんね。本人はそんなこと意識してないと思いますけど。

長い空白時間がなければ「まだ取り戻せる」っていう希望が出てしまって、損切りに失敗するかもしれないし、心を壊さなければ「まだやれるかも」と立ち上がってしまったかもしれない。

彼は自分の人生を取り戻そうとしてるところなのかもしれません。

* * *

……と、書いてきて、
この「損切り」って考え方、占い的にけっこう使えそうだなと思った次第です。

ダメな交際相手ばかりと付き合ってしまうという方も、
株式用語でいうなら、
もしかしたら「損切り」が足りてなくて、今まで投資した労力やらなにやらを「塩漬け」してしまっているのかもしれませんね。

なのでそういう方に一言。

塩漬けにしてもダメですよ! 
さっさと売り払って「損切り」した方が幸せへの近道になりますよ、たぶん(笑)!